5.実は大規模修繕工事の談合を招いている、管理組合の心理と行動 [マンション管理士 業務日誌]

2019年03月01日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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その場の思いつきで聞くだけでなく、事前に質問する内容をしっかり考えておくなど、事前の準備も大切です

また、出来るだけ多くの人に参加してもらう、理事や修繕委員でない人も含め、出来るだけ多くの意見を求めることも有効な方法です。

<画像:>

重松マンション管理士事務所立会いの下、面談を実施している様子。
この時は、まず私が質問をした後に、各理事等が気がついた点などを質問していきました。

【2】セカンドオピニオンの活用や、設計事務所(設計コンサル)以外の信頼できるパートナーを起用する

しかしながら、準備や対応にかけられる時間にも限りがあります。
また、管理組合の心理を熟知している悪質コンサルは「良さそうに」見えるため、未経験の方が確信を持って判断することは容易ではありません。
それゆえ事態を重く見た国交省が、相談窓口を活用するよう異例とも言える通知を行ったのが実態です。

従って、自分たちだけでは自信がない場合、私たちマンション管理士をはじめとした、管理組合の立場に立ってくれる、信頼できそうな第三者にセカンドオピニオンを求める、または、パートナーに起用することが第二の対策になります

倫理規程があり、かつ、国交省が認める唯一の団体

<画像:>マンション管理士を要している団体はかなりの数ありますが、国交省が認めている唯一の連合体は「日本マンション管理士会連合会」で、この傘下に各県一団体限定の都道府県マンション管理士会があります。千葉県であれば、一般社団法人千葉県マンション管理士会です。

このような団体に所属しているマンション管理士は、マンション管理適正化法の他にも厳しい倫理規程が課せられていますので、管理組合を騙したり、管理組合の不利益になるようなことに手を染めたりすることはありません
重松マンション管理士事務所のマンション管理士も全員マンション管理士会に所属し、さらに業界に先駆けて当事務所「独自の倫理規程」を整備し、業界初の「ノーリベート宣言」もしています

ちなみに、マンション管理士会に所属せずに業務を行っているマンション管理士も存在します(所属は義務ではありません)。お住まいの地域のマンション管理士会やその倫理規程とは無関係の場合もありますので、その点にはご注意ください。

もし、怪しい設計コンサルと契約してしまったら・・・

設計コンサルを選定したものの、「ちょっと怪しいかも・・・」とお感じの場合、あるいは、「怪しいか分からないけど、談合されずに工事会社の選定ができるかちょっと不安・・・」という場合でも、談合を防ぐことは可能です

設計コンサルに工事会社選定をやらせない

何より重要なことは「設計コンサルに工事会社選定をやらせないこと」、です。

前回の手口でご紹介したように、公募だろうが入札だろうが、悪質コンサルが工事会社選定を巧みにコントロールし、自分が意図する仲間の工事会社が選ばれるようにします。
また、彼らの仲間ではない工事会社も、彼らが仕切る工事だと分かると端から諦めて応募を控えてしまう場合があります。

ですから、「悪質コンサルを工事会社選定から排除すること」がもっとも有効な方法になります。ただし、実は内通者が・・・なんてこともあるので、工夫は必要です。

時にはやり直す覚悟を持つ

<画像:>どうしても不信感が拭えない場合は、例えスケジュールに支障をきたすことになっても一旦中止し、納得できるまで調査したり、場合によってはやり直す覚悟が必要だと思います

当事務所は、設計コンサルとの契約後に不信感を持った管理組合からのご相談も多いのですが、例え契約後であっても、絶対に談合はさせません

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