2021年11月18日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士
<画像:>このように、給排水管の事故は生活と直結していますので、事故が発生したら直ちに対応(修理)することになりますが、一度事故が発生すると連続して同様の事故が発生することが給排水管の事故の特徴です。
どの部屋も同じ時期に同じ材料を使って建設しているので当然ともいえます。
そして、それなりのコストをかけて応急的な対応をしても、それ以降断続的に同様の事故が発生しますので、今後のことを考えると何らかの恒久的な対策をとらざるを得なくなり、ファイバースコープ、カメラ、レントゲン等の検査を経たうえで更新工事を検討することになります。
マンションが竣工して30年を経過すると、建物だけでなく設備関係の修繕も対象になってきますが、国土交通省が公表している昨年末の分譲マンションストック数は670万?を超え、その内、築30年以上を経過したマンションは230万?を超えています。
給排水管の更新工事は今後さらに増えていくことでしょう。
給排水管の更新工事は大規模修繕工事とは違った難しさがあると申し上げましたが、その主な違いを一覧表にしてみました。
大規模修繕工事 | 給排水管更新工事 | |
---|---|---|
大掛かりな足場 | 必要 | 不要 |
工事の対象となる共用部分 | 専有部分との区分が、比較的分かりやすい | 専有部分と一体となっており、区分するのが難しい |
工程管理 | 天候等に左右されるが、再調整することが可能 | 天候の影響は受けないが、1日刻みの詳細な管理が必要 |
住戸内への立入り | 原則不要 | 必要 |
室内工事 | なし | 内装の解体・復旧工事を伴うことが多い |
上記以外にもあると思いますが、大きな違いは、大規模修繕工事は原則として建物の外部を中心とした工事となるのに対し、給排水管更新工事は建物の内部を中心とした工事となることです。
居住者のお部屋の中に入っての工事となり、しかも壁や床(天井)の内装を壊して復旧するという作業がありますので、居住者のストレスは計り知れません。
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