4.専有部分はどうする?給排水管更新工事の進め方【最新版】 [マンション管理士 業務日誌]

2021年11月18日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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こんにちは。重松マンション管理士事務所所長の重松です。

以前からこのブログでもお伝えしていますが、近年給排水管(給湯管を含む)の更新工事※1のコンサルティングが増えています。

マンションにおける給排水管の更新工事を円滑に実施するためには、専有部分をはじめ、克服しなければならない多くの問題があり、外壁等の大規模修繕工事とはまた違った難しさがあります
そこで、現在工事を検討している管理組合、これから検討しようとしている管理組合の方々のために、改めて管理組合が給排水管の更新工事をじょうずに進めるポイント等について、最近の事例を織り交ぜながらご紹介したいと思います。

なお、最近建設されたマンションは、使用している給排水管の材料が、30〜40年前のマンションとは異なりますので、耐用年数も飛躍的に伸びています
今回は、これから給排水管の更新工事を迎える築30年以上経過したマンションを対象としてお話しさせていただきます。また、更新工事に関する技術的な説明ではなく、管理組合運営(ソフト面)を中心に書かせていただきました。

  1. 交換工事のこと。交換せずに、管内に樹脂等をコーティングする工事は更生工事という
目次

1.工事検討のきっかけは?

給排水管は、壁のパイプスペースや床下(場合によっては天井裏)に隠蔽されていますので、普段は居住者が目にすることはありません。ときどき外部のメーターボックスを開けたときに、給排水管やガス管の竪管(共用部分)を目にするくらいです。

外壁塗装やタイルのように日常居住者が目にする場所であれば、「汚れてきた」、「破損している」などと分かるのですが、給排水管の場合は、傷んできても普通は分かりません。

では、どのようになったら給排水管の更新工事を検討するようになるのでしょうか?

漏水事故の多発が検討のきっかけに

<画像:【イラスト】配管から漏水を起こしている様子>「長期修繕計画において実施時期になっている」という理由もありますが、私が経験した事例では、「漏水事故」をきっかけに検討を始めることが多かったです。

ある日突然に上の階から水が漏れてきたという話をときどき聞かれると思います。
上階の人も、「水をこぼした覚えはない」という時などがその例です。

多くの場合は排水管の劣化による配管の穴あきで、生活排水(雑排水や汚水)が漏れてきますので、当然に大騒ぎになります。

マンションによっては漏水事故の被害が大きな問題に

漏水事故も、マンションによってその程度は様々です。
きれいな水であればまだ良いのですが、そうとは限りません。

排水管の横引管(個々の部屋の排水を竪主管まで流す配管)は、一般的には自室の床下に敷設されていますが、私がお世話になっている築40年以上のあるマンションでは、下階の天井裏を通っています。

このような状態で排水管から漏水したら、下階の人は、自分の部屋の天井から突然に雑排水や汚水が漏れてくることになるので大変です。
また、最上階の通気管※2が腐食して破損し、悪臭被害が出る場合もあります。

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