3.管理委託契約書の落とし穴〜契約解除の条件を見直しませんか? [マンション管理士 業務日誌]

2022年03月12日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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参加者は多くありませんでしたが、事前に全組合員に説明会資料を配布し、質問がある場合は書面で受け付けるべく対応しました。

当日、「管理会社に無理な要求をしすぎたから管理会社が手を引いたということは考えられないか?」という質問が出ましたが、監事と私からそうではない旨を説明し、理事会から管理会社に要望した事項として、以下の2点を回答しました。

普通にお仕事をされている方々であれば、社内外を問わず、ごく日常的にある常識的な範疇の内容であり、いずれも決して無理な要求ではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか

3臨時総会の開催

<画像:【イラスト】臨時総会>まずは臨時総会の準備です。
議案書作成は現在の管理会社に依頼できないので、理事会と当事務所で対応して配布しました。

9月10日に契約解除通知のメールを受信し、12月19日に臨時総会開催です。
管理会社変更の議案は、普通決議ですので可決することは間違いないと考えていましたが、総会承認前に新管理会社候補を交えた引継業務を開始することはできないので、引継ぎに必要な資料のうち、管理組合と当事務所で確認できる物は極力事前に確認する作業を行いました。

総会はリアル形式で開催しましたが、出席者全員の賛成により議案は可決しました。

4引き継ぎ

<画像:【イラスト】管理会社間の引き継ぎ>臨時総会終了後から直ちに新旧管理会社で引継ぎ作業を開始し、旧管理会社との契約が終了する12月31日までには引き継ぐべき鍵の確認と警備関連の転送機の切り替えまで無事完了しました。
警備会社が新旧管理会社間で変更にならなかったことも幸いでした。

また、前述の通り、引継書類等の確認作業は、臨時総会で承認されてから新管理会社が実施するのでは間に合わない可能性が高かったので、事前に理事会と当事務所で確認作業を進めておいたことも奏功したと思います。

なお、本件の対応に際しては、急を要する上に僅か3か月という短期間で遂行しなければならず、無駄な時間をかけられなかったので、私の他に新木マンション管理士にも担当として、選定作業から議案書作成・引き継ぎまで、様々な実務と理事会のサポートにあたってもらいました。
私一人ではとても対応出来ませんでしたが、お陰で何とか無事引き継ぎまで対応することが出来ました。

【さいごに】契約解除の条件を一度見直しませんか?

これまで数々の管理会社変更を経験し、その中には、管理会社から契約解除を通知してきた事例もありましたが、本件のような酷い事例は初めてで、繰り返しになりますが、今後は管理組合側も管理委託契約書の契約解除の条件について、よく考えておく必要があると強く実感しました

そして今回、このような酷いことをした管理会社は無名の業者ではなく、業界でも大手に入る著名な会社です

少し前までは、管理会社から契約を更新しない、または途中で解約するということはあまり考えられませんでしたが、最近は少なからず耳にします

背景には、管理会社のリプレイスによる競争、委託業務費の金額交渉などを行う管理組合が増えたことに加え、人件費の高騰があり経営が厳しくなっていることなどが考えられますが、大手の管理会社でさえこんな対応を取るのですから、十分注意された方が良いと思います。どうぞお気を付け下さい。


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