3.マンションに欠陥が見つかったら?〜住宅品確法とその活用 [マンション管理士 業務日誌]

2021年02月11日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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ただし、この制度の対象となる住宅は、「建設住宅性能評価書」が交付されている住宅のみとなり、当事者は当該住宅の購入者(相続人を含む)、建設業者、販売業者となります

指定住宅紛争処理機関(住宅紛争審査会)

その名のとおり、(欠陥)住宅紛争を解決するための機関で、「建設住宅性能評価書」が交付されている住宅がこの機関を活用できます。「住宅紛争審査会」と呼ばれるこの機関は、後述の3種類の方法によって、裁判せずに迅速に住宅紛争を解決することを目指し、国土交通大臣が指定した各地の弁護士会が主体となって運営しています。

3種類の紛争処理方法

指定住宅紛争処理機関(住宅紛争審査会)を活用してできる紛争処理は、「1.あっせん」「2.調停」「3.仲裁」の3種類です

<画像:【イラスト】3種類の紛争処理方法>

1.あっせん

「あっせん」は、紛争処理委員の弁護士が当事者双方の主張の要点を確かめたうえで、話合いで解決できるための助言を行う制度です。手続きが簡単で、早急な解決が必要な事案や技術的な争点が少ない事案などに適しています

2.調停

「調停」は、当事者双方の主張を聞いた紛争処理委員が争点を整理したうえで、調停案を作成し、双方にその受諾を勧告する制度です。この手続きが最も多いようです

3.仲裁

「仲裁」は、紛争処理委員が双方の主張を聞き、必要に応じて現地調査や証拠調べなども実施したうえで、仲裁判断を行う制度です。裁判にかなり近い形となりますし、仲裁判断は裁判の確定判決と同じ効力を有することになります

いずれの場合も、弁護士が紛争処理委員となり、その裁量の下に進めていきます。建築の専門的な知識も必要となるため、建築士も委員として参加します。
また、国土交通省は、品確法第70条に基づき紛争処理の参考となる「住宅紛争処理技術関連資料(技術的基準)」を公表しています。この技術的基準が審議された国会の付帯決議には、速やかな紛争解決の参考にするべきことや住宅取得者の利益の保護に十分配慮して定めること等が記されています。

なお、3の「仲裁」には時効を中断する効力がありますが、1の「あっせん」と2の「調停」はそれがありません
また、いずれの場合も、当事者同士の合意の上での各紛争処理となる点には注意が必要です。たとえ管理組合がこの制度の「仲裁」を利用したいと思っても、あるいは、住宅紛争審査会から解決案が示されても、相手が応じなければ、他の道を模索しなければなりません。
もちろん、この制度を利用することなく、最初から裁判を選択することも可能です。

<画像:【イラスト】裁判するか迷う区分所有者>
指定住宅紛争処理機関(住宅紛争審査会)での紛争処理は、双方の合意があって成立します。
納得いかなければ裁判の道も・・・

5.品確法と、売主のアフターサービス基準について

新築時に売主からもらう書類の中に「アフターサービス基準」があります。マンションの共用部分等について、保証期間が定められています。

品確法は「法律」です。定められた期間内に対象部位について瑕疵があれば、住宅供給者が責任をもって補修したりその費用を負担したりしなければなりませんが、問題(紛争)となっている箇所が対象部位に該当するのか、また、竣工当初からの瑕疵に当たるのか等は明確でない部分も多く、意見が対立したりしています。

一方、アフターサービス基準は売主と買主間の「契約」です
前述のような解釈の違いによって解決が長引くことを防止するため、契約期間内に予め決められた不具合等が発生した場合は、売主負担で補修するという内容です。
また、品確法の期間が一律10年なのに対し、アフターサービス基準は2年〜10年とかなりの幅があります

【さいごに】引渡し後10年を迎える前に点検を!

押さえておいて欲しいポイントが多く、文字量が多くなってしまいましたが、ある程度ご理解いただけたでしょうか。

マンションを管理する管理組合は、普段から共用部分を点検し、修繕等の対応をしています。

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