25.刑事事件の裁判員を経験しました。 [プライベート]

2016年04月03日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


< ページ移動: 1 2 3 4 5 >

さすがに被害者の顔写真を見たときは少し気持ちが悪くなりましたが、これが殺人事件だった場合は、メンタル面で耐えられなくなる人もいるというのは理解できました。
検察の次に弁護側からの証拠の提出がありましたが、今回は弁護側の証拠は検察側ほどの数はありませんでした。私が、印象的に感じたのは、被告人の勤務先の社長から「嘆願書」の提出があり、刑の減免をお願いしたいという証拠でした。
双方の証拠調べが終了すると一旦休憩です。私たちは評議室に戻り、証拠の内容について全員で議論しました。
法廷は、天井は高いものの窓は一切ありませんし、その厳かさからしても大変な威圧感を覚えます。そのような法廷から評議室にもとってくると、前述のように見晴らしの良い開放感のある部屋なのでホッとします。私見ではありますが、裁判所は評議室の位置や室内レイアウトにも気を使っているのではないかと感じました。

証人尋問

証拠調べの後は、証人尋問です。事件の関係者に出頭してもらい、検察側と弁護側からそれぞれ質問をします。また、私たち裁判員も質問をすることができるようになっています。
最初の証人は、被害者の方でした。検察側からは事件のときの状況や暴行を受けたときの様子、被告人に対する感情などを確認しているようでしたが、弁護側からは暴行を受けた後の治療方法や同じように被告人に対する感情などを確認していました。
「攻める側(犯罪の事実を正確に検証する)」と「守る側(犯罪を犯したことは認めるが、できれば刑を軽くしてほしい)」のような感じを多少受けました。

二番目の証人は、被告人の父親です。
被告人の生い立ち、日常の行動、家族との生活状況、過去のお金の無心状況などを検察側と弁護側がそれぞれ質問していきます。
父親が被告人をかばう様子を見せたときに、被告人は涙を流していましたので、反省しているのかなという気持ちになりました。

最後は、被告人本人に対する質問です。
犯行に至る動機、犯行の状況等、既に取り調べや証拠で分かり切っているのにと思うようなことも含めてかなり詳細に聞いているように感じられました。
検察側と弁護側の質問が終わると、今度は裁判所側の質問が行われますが、その前に一旦休憩して私たちは控室に戻りました。
控室で、裁判長から「何か質問したいことはありますか?」と全員に聞かれたので、私も「こんなことを質問してみたい。」と申し出て裁判長の了解を頂きました。
数分後に裁判が再開され、被告人に対する最後の質問が始まりますが、なんとトップバッターは私です。
やはり緊張してうまくしゃべることができず、また声も震えて小さくなりそうでしたが、マイクのおかげで何とか話すことができました。
また、被告人の回答内容も私なりによく理解でき、量刑を議論する際の判断材料になりましたので、質問してよかったと思いました。
他の裁判員もそれぞれ質問して初日の法廷は終了です。

3日目(裁判2日目)

論告求刑

裁判初日で証拠調べと証人尋問まで終了しましたので、裁判2日目は検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論です。
論告求刑とは、裁判の経過を踏まえ検察側が被告人の量刑について「この程度が相当である。」ということを裁判所に申し出るようなイメージと理解しました。
冒頭陳述のときと同様に、A4版の書類1枚に事件の経過をまとめ、本事件は被告人の身勝手な発想から生じた悪質な事件であるとの主張をされていました。そして、過去の犯罪における量刑の統計などから見て、「懲役5年」の求刑をしてきました。
「強盗致傷」は凶悪な犯罪と思いますし、今回の事件も一歩間違えたら被害者が死亡したかもしれないと考えると理解できますが、正直いって、たまたま被害金額が小さいことや障害の結果が大したことはなかったことなどを考慮すると、個人的には「厳しいな」と思いました。

一方、弁護側も同様に簡単なペーパーを提示して、私が考えているような点を挙げ、本人が自首していること、反省していること、被害が小さい状況などを考慮して欲しいというような趣旨の弁論でした。
そして最後に、裁判長が被告人に対して「何か言いたいことはありますか。」と話され、被告人は、約5カ月間の拘留期間に自分なりに考えたことや、このような犯罪を犯して反省していること、被害者に対し申し訳なく思っていること、もし社会に復帰できたら今後はまじめに働きたいことなどを述べました。
以上で法廷での審理は終了し、明日判決が言い渡されます。
裁判長が、判決言渡しは午後3時であることを告げて閉廷となりました。

評議

午後からは、評議室で裁判官と裁判員、補充裁判員全員での評議が行われました。
法廷での審理の後の休憩時間等でも、同様の意見交換はありましたが、今回の評議が最終的なものであり、かなりの時間を費やして行われました。

< ページ移動: 1 2 3 4 5 >

25/373

次の記事へ >
< 前の記事へ

『 お知らせ&日記(ブログ)』トップに戻る
サイトマップ

マンション管理士 重松秀士の 『マンションサポート・ドットコム』(PC版)
重松マンション管理士事務所(PC版)

重松マンション管理士事務所
〒260-0022 千葉市中央区神明町13-2-104
TEL:043-242-0192/FAX:043-244-9094

Powered by
MT4i 3.0.5

携帯アクセス解析