2018年08月17日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士
エレベーターの運行速度は結構話題となりますが、「m/分」で表記します。
一般的なマンションでは45m〜105m/分位でしょうか。定員も6〜11名程度です。マンションの階高を3mで計算すると10階建てのマンションなら1階から10階までを15秒から40秒程度で上がっていきます。
超高層マンションになるとこの速度が格段に速くなり、180m/分、積載量1,150〜1,300?、定員17〜20名前後が一般的な設計になるようです。
ところで、エレベーターの運行速度については日本の三大メーカー(日立、三菱、東芝)が凌ぎを削っており上昇速度では中国上海のビルに設置された三菱製のエレベーターが世界最速(1,230m/分)、下降速度では横浜のランドマークタワーに設置されたエレベーター(三菱製)が世界最速(750m/分)といわれています。
ちなみに、上昇時と下降時とで速度が異なっているのは、技術的な側面ではなく乗客の恐怖心からと言われています。
現在、日立製作所が中国広州のビルに設置する予定のエレベーターの上昇速度は1,260m/分でこれが近々世界最速となる予定です。時速にすると75.6?、富士山の頂上まで3分で到着する計算ですね。
エレベーターにはロープ式と油圧式の2種類があります。
ロープ式は、人が乗るかごと釣合おもりがワイヤーロープで「つるべ式」に繋がっており、巻上モーターの回転速度を制御してかごを昇降させる方式です。
以前は、巻上モーターを設置する機械室を屋上に建築する必要があったので、建築基準法の高さ制限や斜線規制の影響を受けるため後述する油圧式が採用されることもありましたが、巻上モーターをエレベーターピットの最下部等に設置することが可能な「ルームレス」タイプの登場によりその問題が解消したので、最近では圧倒的にロープ式が多くなりました。
油圧式は、その名のとおり作動油を使用し油圧ジャッキの圧力でかごを昇降させる方式です。
油圧式の場合、下降時にはシリンダから油を抜くだけなので、圧力がかかるのは上昇時だけとなります。油圧配管さえ繋がっていれば、機械室を屋上に設置する必要がなく自由に配置することが可能です。そのため建築基準法の規制を気にせずに設計できるので、マンションでは分譲戸数の確保などにもメリットがあり、割と多く採用されてきました。
しかし、油圧ジャッキを使用しているため速度が遅いことや、設置階数にも限界があること、さらにロープ式と比較するとモーター出力が大きいことや、冬場には油の温度を上げる必要があるため消費電力はかなり多くなり、最近の「省エネ」には向いていない等のデメリットがあります。
そのような理由で、特殊仕様や重量運搬用の油圧式エレベーターを除き、新規に製造している大手メーカーはありません。
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