11.マンションに欠陥が見つかったら?〜住宅品確法とその活用 [マンション管理士 業務日誌]

2021年02月11日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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みなさまこんにちは。重松マンション管理士事務所所長の重松です。

いきなりですが、もしも購入した新築マンションに施工不良や重大な欠陥が見つかったら、みなさまはどうされますか?
考えたくもないことだと思いますが、今回ご紹介する住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律、以下「品確法」)は、新築マンションにお住まいの方、今後新築マンションの購入をお考えの方などにとって、知っているかどうかで大きな差が出ることもある重要な法律です。

今回から2回に分け、当事務所が経験した「調停」事案も含めてご紹介していきます。是非ご参考にしていただければと思います。

目次

1.立法趣旨と3要素

この法律は、住宅生産者の責任を強化することにより、欠陥住宅の供給を防止し、住宅購入者の利益を守ることを立法趣旨として、2012年4月に施行されました。
そして、それを実現するために「1.瑕疵保証制度」「2.住宅性能表示制度」「3.裁判外紛争処理制度」の3つの要素から構成されています。

<画像:【イラスト】住宅品確法を構成する3要素>

2.瑕疵保証制度

概要
新築住宅(マンション含む)の基本構造部分(構造耐力上主要な部分・雨水の侵入を防止する部分)を対象に、住宅を供給する請負人や売主に対して10年間の瑕疵担保責任を義務づける制度。

瑕疵担保責任」とは、引き渡した住宅に欠陥(瑕疵)があった場合、その欠陥を補修したり、補修するための費用を負担したりする責任のことです。
そして「基本構造部分」とは、「1.構造耐力上主要な部分」と、「2.雨水の侵入を防止する部分」です(下図参照)。
「10年間の瑕疵担保責任(期間)」は、売主と買主の合意によっても短縮することはできない強行規定となっていますが、逆に双方の合意によって20年まで延長することは可能です。

<画像:【イラスト】瑕疵担保責任対象の基本構造部分(構造耐力上主要な部分・雨水の侵入を防止する部分)>

新築住宅

この法律でいう新築住宅の定義は、「新たに建設された住宅で人が住んだことのない住宅(ただし、新築後1年以上経過したものを除く)」です。新築マンションであっても1年以上経過したものや、新築1年以内でも最初にマンションを取得した人から購入した場合には、品確法の瑕疵担保責任は適用されません
しかし、最初にマンションを取得した人は、その人が他の人にマンションを売ったとしても、当初の住宅供給者に対して瑕疵担保責任を追及することはできます。

<画像:【イラスト】新築マンション>
新築1年以内で、かつ、最初にマンションを取得した人は、瑕疵担保責任を追及できます。

構造耐力上主要な部分

住宅の安全性を確保するために絶対的に必要不可欠な部分のことで、建築基準法施行令第1条に規定してある部分と同じ内容です。

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