2018年01月24日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士
保険金は、契約者が被った損害に対して支払われますので、受領した保険金をどのように使うかは管理組合の自由です。例えば、敷地内のベンチが何者かに壊されたので、保険申請をして保険金を受領した場合、同等品を新規に購入するのか、更に費用をかけてもっと高級なベンチを購入するのか、購入しないで当面様子を見るのかなどは管理組合が決めればよいことです。被害が発生していないのに保険金を請求したら、詐欺になりますが、被った被害に対する保険金を受領しているのですからこの場合は詐欺になりません。
また、保険金請求の時効は3年といわれていますが、多くの人は、3年以上前に発生した事故は保険請求ができないと勘違いされています。3年の時効とは、保険会社の認定が下りて、保険金を受領できるようになってから、3年間請求をしなければ時効になってしまうという意味ですので、3年以上前の事故であっても、保険会社にきちんと説明ができる事故であれば、まずは請求してみた方が良いと思います。
それから、マンションの損害保険は自動車保険とは異なり、保険事故が発生して保険金を請求しても、更新時に保険料が上がることはありません。
(※料率の改定により、保険料が上がることはあります。)
また最近では、契約期間内の一定の判定期間内に保険金の請求がなかった場合(いわゆる無事故の場合)には、更新時の保険料を割り引く保険会社も出始めました。
多くの保険会社は、マンションの築年数だけで計算して保険料を算出します。前述のように築浅のマンションと高経年マンションでは漏水事故の発生率に大きな差があるからです。しかし、適切な修繕を実施して、給水管や排水管をきちんと更新しているマンションの場合はどうでしょうか。漏水事故の発生率は新築マンションと変わらないはずです。保険料を築年数だけで算出するのではなく、マンションの管理状況を細かく評価したうえで、保険料を算出する保険会社も出てきています。築年数が古い場合でも、適正な管理ができているマンションであれば、保険料が30〜40%も安くなっている事例もあります。
このマンションドクター火災保険を適用するための管理状況の査定は、研修を受けたマンション管理士が行う必要がありますが、高経年マンションであっても、きちんと管理がされているマンションであればぜひ検討する価値はあると思います。
いかがでしたか?マンションに付保する保険の場合、商品の変遷等もあり、誤解や勘違いなども結構多いように思います。保険の中身を知らない場合には、大きな損をする可能性もありますので、分からないときなどはぜひ専門家に相談して検討してみてください。
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