1.マンションて?の防災活動のすゝめ【風水害への対応編】 [マンション管理士 業務日誌]

2022年09月21日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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(出典:「水害ハザードマップ(3種類)」東京都江東区)

マンションで「在宅避難」が原則ということは、地震の場合と同様に飲料水、食料などの備蓄(兵糧)が不可欠であることは言うまでもありません。
ただ、居住者自身(特に高層階居住者)にその意識が低いことも事実です。

防災組織ではこうした各住戸への啓発活動も併せて行います。

タイムライン作成のすゝめ

「タイムライン」とは時系列に、その都度何をすればよいかを記載したものを言います。

一般的な水害のタイムラインとマンションでのタイムラインは少し異なります。
一般的なタイムラインは戸建て住宅などから浸水被害で逃げ遅れないようにするため、安全な場所への避難の準備と行動を表したものです。

これに対して堅牢で高層の建物のマンションでのタイムラインは、安全な場所、すなわちマンション内の居住する住戸(在宅避難)を原則とするため、風水害の危険度の高まりに合わせて「在宅避難」のために準備することを記載します。

また、マンションでタイムライン作成の際は、地震時の対応と同様に「自助」と「共助」に分けて整理すると、それぞれの役割分担も明確になり有効です。

実際に作成したタイムライン検討書(左)とワークショップの様子(右)

3.マンションで風水害時に想定されること

<画像:【イラスト】風水害時に想定されること>河川の氾濫によるマンション内への浸水や、下水道から逆流する内水氾濫による浸水が引き金となって、建物内への浸水、受水槽の冠水、電気設備への浸水による停電などが発生します。

これらに伴い、エレベーターの停止、ポンプ停止による断水、セキュリティドアの開閉停止などマンションのインフラ機能のマヒが想定されます。
加えて、機械式駐車場があれば出し入れができなくなるだけでなく、地下ピットがある場合には浸水による水没の被害も想定されます。

そのほか強風や突風による被害として、隣住戸との隔て板、駐輪場・ゴミ置場屋根などの損傷・飛散、強風や飛来物によるによる窓ガラスの損傷、植栽の倒木などが想定されます。

雨、風ともに、災害時には日常では想像できないほどの被害が発生する可能性があることを意識していきましょう。

4.マンションにおける現実的な対応

マンションでどこまで浸水から守るかを想定した「水防ライン」を設定します。
そのために、マンション敷地内でどこに浸水の危険があるかを把握します。

複数の開口部がある場合や、敷地が広い場合など、完璧な「水防ライン」を設けることが現実的でない場合があります。
そのような時は、被災による影響と費用対効果を検討したうえで、浸水防止の優先順位を決めて対応するのが現実的です。
この場合、停電によるインフラマヒを防ぐために、電気設備を最優先に守っていくことをお奨めします。

<画像:>
電気設備への浸水を防ぐための止水板設置例
<画像:>
建物開口部からの浸水を防ぐための止水板設置例

浸水対策には、土のう、水のうはじめ止水板などいくつかの方式があります【表1・表2参照】。

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