1.長期修繕計画の学び直し?〜あるある問題事例と最近の傾向 [マンション管理士 業務日誌]

2021年05月06日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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査・報告が必要」になりますが、「3年以内に外壁改修もしくは全面打診等を完了することが確実である場合」は全面調査の猶予が認められています。
つまり、従来通り大規模修繕工事が12年周期の場合、大規模修繕工事の際に外壁調査を行うようにしても大丈夫で、その場合は外壁調査のためだけに新たに足場を組まずに済み効率的です。

しかし、大規模修繕工事の周期が延びる場合、外壁調査のためだけに足場を組む必要が生じる可能性があります

足場を組むのは結構な費用がかかってしまうため、外壁調査のためだけに足場を組むのは非効率ですが、その場合、打診ではなく赤外線調査(ドローンを使った目視+赤外線調査含む)という方法もあります。
ただし赤外線調査は、例えば東京都の定期報告に関するQ&A
「東京都所管物件においては、赤外線調査を行うことで、落下により危害を加えるおそれのある部分の劣化及び損傷の状況が正確に判断できる場合、赤外線調査での確認を認めています。赤外線調査を行う場合、測定確度が確保できるか、障害物はないか等に留意した上で調査を実施してください」
と記されている通り、条件によっては期待する精度を確保出来ない場合があるので、その点には十分な注意が必要です
検討時、所管の特定行政庁にも確認を取るのが良いと思います。

<追記>
外壁のタイル等のドローンを活用した赤外線調査について、令和4年3月、国交省から「定期報告制度における赤外線調査(無人航空機による赤外線調査を含む)による外壁調査 ガイドライン」が発表されました。

【さいごに】給排水管の更新については十分に議論を!

今回は、長期修繕計画に関する基本的な内容と最近の傾向が中心となりましたが、いかがだったでしょうか。
次回は、長期修繕計画にまつわる誤解集をご紹介する予定です。

なお、本文でも触れた専有部分の給排水管の更新については、長期修繕計画の「建前」からは逸脱するかもしれませんが、区分所有者の皆様で一度十分に議論されることをお勧めします

<余談>

冒頭でもお伝えしたとおり、今回の特集で取り上げた長期修繕計画は、築年数が経過(15年以上)したマンションにおいて見直しを行った際の長期修繕計画書を対象としています。
その理由は、最近分譲されたマンションの長期修繕計画は、使用部品の材質が違ったりして計画周期等が異なる工事等があることです。
また、マンション自体も、設備の更新工事がやりやすい設計上の配慮もされています。
何十年も経たないと分からないこともありますが、技術の進歩や材料の進歩によって、より長持ちする、より維持・管理しやすくなるマンションが出来ているのはとても良いことだと感じています。

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