1.長期修繕計画の学び直し?〜あるある問題事例と最近の傾向 [マンション管理士 業務日誌]

2021年05月06日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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    この部分に問題があり、専有部分の工事に修繕積立金を使ったことについて裁判に発展している場合もあります。

このようなことが起こらないように、「共用部分と一体化した専有部分の工事に、修繕積立金を使用することができる。」というように管理規約を改正しておくことをお勧めしています

段階増額積立方式より均等積立方式

<画像:【イラスト】お金の束>修繕積立金の積立方法には2通りあります。
数年ごとに積立金の額を少しずつ増やしていく方式を「段階増額積立方式」といいます。この方式は、以前は多く採用されていました。特に分譲会社が最初に提示する長期修繕計画においてはほとんどこの方式です。
購入当初の積立金の負担を少なくした方がマンションを分譲しやすいという分譲会社の思惑もあるなどと言われていますが、結局はツケを先送りする理屈と同じで、将来負担する修繕積立金の額が大きな額となってしまいます。

一方、積立期間中の徴収額を変えない積立方式を「均等積立方式」といい、当初の負担額は大きく感じることもありますが、その金額が将来通じて変わらないというメリットや途中でマンションを購入する人にも分かりやすいということもあり、最近はこの方式を採用する管理組合が多くなっています
前述の国土交通省のガイドラインでもこの方式を推奨しています。

大規模修繕工事の実施周期を12年より長く設定する

2008年に国土交通省から公表された「長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン」では、多額の費用を使って実施する外壁や屋上の修繕工事(いわゆる「大規模修繕工事」)の実施周期は、「参考」とはしているものの12年と記述されています

この「12年」は、昔から多くの書籍や資料で目にしますが、明確な根拠はありません。
もちろん法律で定められているわけでもありません。

「屋上防水工事の保証期間が一般的には10年なので、期待耐用年数は12年くらい・・・」とか、「外壁のシール材の耐用年数は10〜12年くらい・・・」など、なるほどと思うような説もありますが、この12年周期を延ばすことができれば、長期修繕計画の計画期間中の大規模修繕工事の回数を減らすことができるので、その分計画期間中の工事費用総額を減らすことができます

仮に15年前後の周期に延ばすことができた場合、たった2〜3年ではありますが、長い目で見れば大規模修繕工事の回数を減らすことが可能になります。

そうなると、当然ですが、修繕積立金の設定額(増額)も少なくて済みます

<画像:【イラスト】大規模修繕工事等で組んだ足場>ただし、大規模修繕工事の周期を延ばすためには、外部仮設足場を必要とする工事(具体的には外壁塗装、シール打替工事、タイル補修工事など)について、それなりの耐用年数が期待できる材料や工法を考える必要があります
従いまして、まずは次回の大規模修繕工事をそれに対応できる仕様で計画し、その次からの大規模修繕工事を新たな周期で計画すると良いと思います

なお、以前の記事「施工不良、剥落事故...マンションの外壁タイル問題について」でも触れましたが、タイル、石貼り等を使った外壁については、建築基準法第12条に基づく定期報告制度により、全面打診等の調査が必要になります
「竣工、外壁改修等の後10年を超えてから最初の調査である場合」と定義されているため「基本的に10年毎に全面調査・報告が必要」になりますが、「3年以内に外壁改修もしくは全面打診等を完了することが確実である場合」は全面調査の猶予が認められています。

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