2008年04月29日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士
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最近のマンションの給水管は、共用部分は耐圧塩ビ管やステンレス管、専有部分は架橋ポリスチレンなどが使用されており、錆びることも無くほとんど半永久的に使用可能であると思われます。
しかし、10年以上前の一般的な給水管の仕様は、直管部分は塩ビライニング鋼管で錆は発生しにくいのですが、継ぎ手の部分が鉄製です。
そして、その部分から錆が発生して赤水や漏水などの被害事例も良く見かけます。
継ぎ手部分に「管端コア」等を使用している場合は直管と継ぎ手のジョイント部分が水に触れないので錆の発生を防止することもできますが、そうでない場合はいずれは新しいものに更新するしかありません。
また、更新までの期間をなるべく長く持たせる延命策もいろいろ考えられ、もっともポピュラーな方法は、エポキシ樹脂ライニング工法による更正工事といわれるものです。
今回は、別の工法の効果を確認する目的で「電気防食」による延命工法のテストをやってみました。
協力してくださったのは、株式会社サニコンです。
私も詳しい原理はわからないのですが、金属が水中にイオンとして溶け出すのを防ぐために、配管に電気を流して電子を与え続けるのだそうです。
給水管が錆びる原因は、鉄がイオンとなって水中に溶け出て水中の水酸基と結合するからですが、イオンとなって流出しなければ錆びることはない理屈となります。
実験装置を使って行った様子をご覧ください。
乾電池を使った簡単な実験装置です。 鉄の棒を給水管本体に見立てて水中に設置しています。 | 何もせずに水中に放置した鉄の棒は 当然ながら錆びていきます。 |
約2週間経過後 かなり錆びて、赤水の原因になりそうです。 | 電気を流し続けた鉄の棒は 2週間たってもこのとおり全く錆びていません。 又、表面にはカルシウムの皮膜ができているようです。 |
2週間ですっかり錆びてしまったテストピース | 今度はその錆びたテストピース(左)に、 電気を流して変化する様子を観察します。 < ページ移動: 1 2 > 次の記事へ > < 前の記事へ 『 コラム:管理組合通信』トップに戻る サイトマップ
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