34.【コラム】シックハウス症候群について [建築・設備などのハード分野]

2003年07月15日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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2003年に改正された建築基準法に基づき、シックハウス症候群について記載しました。 新築時だけでなく専有部分をリフォームする場合でも適用になります。

シックハウス症候群について

今年の7月1日に建築基準法が一部改正され「シックハウス症候群」に対する対策が強化されました。 今回はその改正内容について簡単に説明いたします。

1.シックハウス症候群とは

ア)症状

新築、又はリフォーム後に入居したら目や、のどの痛み又はめまいや、吐き気、頭痛などの症状が出る状態をいいます。

イ)原因は?

・詳しい原因はまだ完全には解明されていませんが、建材・家具・日用品などから発散されるホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物が原因の一種といわれています。
・ちなみに揮発性有機化合物はVOC(Volatile Organic Compounds)と称します。

2.では、厚生労働省が濃度指針を定めている13の化学物質とは

・?ホルムアルデヒド?アセトアルデヒド?トルエン?キシレン?エチルベンゼン?スチレン?パラジクロロベンゼン?テトラデカン?クロルピリホス?フェノブカルブ?ダイアジノン?フタル酸ジ-n-ブチル?フタル酸ジ−2−エチルヘキシルがあります。

・聞きなれない物質もありますが、?〜?までは品確法に基づく住宅性能表示の測定対象になっている物質で、?のホルムアルデヒドと?のクロルピリホスが今回の改正建築基準法の対象になっている物質です。

・ホルムムアルデヒドはご存知のように住宅建材(合板、パーチクルボード等)や接着剤、クロルピリホスは白あり駆除剤として使用されています。

3.今回の改正内容について

ア)クロルピリホスについて

・白あり駆除剤として使用されていたクロルピリホスは全面的に使用禁止となりました。

イ)ホルムアルデヒドについて

・内装仕上げに使用する場合の面積制限
・居室内の換気設備設置の義務づけ
・天井裏などの制限
の3つが制定されましたので次に内容を説明します。

4.ホルムアルデヒドに対する規制内容

ア)使用面積制限

ホルムアルデヒドを発散する建材には次のような制限が行われます。
建築材料の区分 ホルムアルデヒドの発散 JIS、JAS等の表示記号 内装仕上げの制限
建築基準法の
規制対象外
少ない 放散速度
     5μg/?h以下
 F☆☆☆☆ 制限なしに使える
第3種ホルムアルデヒド
発散建築材料
     5μg〜20μg  F☆☆☆ 使用面積が制限される
第2種ホルムアルデヒド
発散建築材料
     20μg〜120μg  F☆☆
第1種ホルムアルデヒド
発散建築材料
多い  120μg/?h以上  表示なし又はE2 Fc2 使用禁止

*μg(マイクログラム)は100万分の1グラムの重さ。1μg/?hは建材1?につき1時間当たり1μgの化学物質が発散されることをいいます。
*建築物の部分に使用して5年以上経過したものは、制限なし。
*F☆☆☆の呼び方は決まっていませんが、一般的にはエフスリースターや三ツ星などと呼んでいます。


・室内換気回数が0.5回/hの場合はF☆☆☆の内装仕上げ材ならば床面積の2倍まで使用可能。
・クローゼットなどでアンダーカットを設け居室と同等の換気を行う場合は居室とみなされます。
・使用面積は室内の換気回数と建材の等級に関連します。詳しくはマンション管理士・マンションリフォームトレーナー・建築士等にお問い合わせ下さい。

イ)換気設備設置の義務付け

ホルムアルデヒド発散建材を使用しない場合でも家具からの発散があるので、原則として全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられます。→24時間換気システムの設置が必要になります。

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