33.【コラム】エレベーターのメンテナンス等について [建築・設備などのハード分野]

2003年09月15日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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5.エレベーターの賠償責任保険と防犯対策について

ア)賠償責任保険

メンテナンス会社の中には、自社でメンテナンスを実施しているエレベーターが原因で事故が発生した時でも、多額の賠償責任保険(身体上1事故10億円)を付保している会社もあるので事前に良く調査したほうが良いでしょう。

イ)防犯対策

・エレベーターの防犯対策には防犯カメラが有力です。
・最近は監視カメラシステムを月額5,000円〜という価格で実施しているメンテナンス会社もあり、防犯対策に役立てている管理組合も増えています。

6.メンテナンス会社の選択は?

では、メンテナンス会社はどのように選定すればよいのでしょうか。
多くの管理組合は竣工時に設置したエレベーターメーカー系列のメンテナンス会社をそのまま起用していると思います。
しかし最近では価格の面やその他を比較検討して独立系のメンテナンス会社を起用する組合も多くなっています。
この際あなたの管理組合でも検討してみる価値はあると思います。

ア)メーカー系と独立系のメンテナンス会社について

?メーカー系
・いわゆる5大メーカー系列のメンテナンス会社で、三菱、日立、東芝、フジテック、オーチスの資本家にある会社。

?独立系
・メーカー系に属していない独自のメンテナンス(製造も含む)を実施している会社で最近急速に業績を伸ばしています。
・主要な会社としては SECエレベーター、コスモエレベーター、辰東エレベーターなどがあります。

イ)それぞれの特色について

?実績と信用度
・さすがにメーカー系のメンテナンス会社のほうが一日の長があり、現在でも多くのシェアを確保しています。
?価格
・価格に関しては独立系のメンテナンス会社のほうがメーカー系よりも30〜40%安い場合があり、リーズナブルな価格体系をバックに最近では急速に業績を伸ばしています。
?部品対応について
・エレベーターの部品は約2,000種類ありますがそのうちの80%は半用品で対応可能です。
・残りの20%がいわゆるメーカー巡視部品で、独立系のメンテナンス会社も各メーカーから仕入れています。
・一時、メーカーが競合する独立系の会社に純正部品の納入を拒否して裁判になりましたが、平成2年の大阪地裁判決で独立系の会社が勝訴し損害賠償の請求が認められ、その後は公取委の指導もあり現在では部品の供給を拒否するメーカーはなくなりました。
・しかしメーカーは純正部品の在庫が豊富なので、独立系の会より1日〜2日位早く処理が可能な場合があります。
?その他の対応について
・基本的にはほとんど差がないと考えていいと思います。

ウ)メンテナンス会社選定のポイントは?

はっきり言って、絶対にこれとこれが正しいということは言えません。
・メーカー系のメンテナンス会社は安心して依頼でき、自社製品の在庫も問題がないので故障してもほぼ翌日には修復できる。
・一方独立系の会社は修復に対してはメーカー系の会社より1日程度時間がかかる場合もあるが、月々のメンテナンス費用はかなり安くなる。
・最終的には管理組合の判断で決定するしかないが、この不況の時代には簡単に管理費や修繕積立金の値上げができません。
・長期間にわたる維持コストの削減(節約)は将来の積立金の額にも大きく影響するので真剣に検討する価値があると思います。

今回はこれにて失礼いたします。

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