2003年11月24日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士
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これを受けて今回の改訂では収納方式の明記(原則方式、収納代行方式、支払い一任方式)や通帳と印鑑の保管方法、管理業者が倒産した時の保証機関などを細かく記載することを指導しました。従来の管理委託契約書の中で一番判りにくいと指摘があったのは業務内容や範囲です。
「事務管理業務」「総会支援業務」「管理員業務」「フロントサービス業務」その他・・・・・?????などかなり難解な部分もありました。又、委託金額も1式○○○円が多く、内訳が不明朗と指摘されていました。
今回の改訂では管理事務(委託業務)を
?事務管理業務
?基幹事務
a)会計の収入及び支出の調定
b)出納
c)マンション(専有部分を除く)の維持または修繕に関する企画又は実施の調整
?基幹事務以外の事務管理業務
a)理事会支援業務
b)総会支援業務
c)その他
?管理員業務
?清掃業務
?建物・設備管理業務
と比較的すっきりさせそれぞれ別表をもって内容をかなり細かに明記し、管理組合が理解しやすく又、複数の管理業者から見積を採取する場合に比較しやすい内容にしました。
更に委託費を上記?〜?までに分け各項目ごとの費用明細が分かるようにしています。
尚、上記?の事務管理業務の内?の基幹事務に関しては「マンション管理適正化法」で一括して第三者に委託することはできません。以前の標準管理委託契約書もそのように書いてありましたが今回の改訂では別途コメントを用いて明確にうたってあります。
管理業者の業務範囲が明確にされたということは、逆の考え方をすれば業務範囲外つまり責任を負わない範囲を明確にする必要があります。
旧標準管理委託契約書では今ひとつ明確でなかった部分を今回はより具体的に表示するようになりました。
例えば災害や事故などで管理業務が遂行できなかった場合や緊急時対応を想定して、災害や事故の種類を具体的に明示しました。又、管理費等の滞納者に対する督促や有害行為の中止請求に関してはその方法などを明確にし、それ以降は責任を免れる旨も条文化しています。
「マンション管理適正化法」では管理組合の事業年度終了後、遅滞なく管理業務主任者をして書面にて報告させなければならないと定められています。
今回の改訂では「マンション管理適正化法」との整合性をもたせるため管理業務主任者をして管理組合の事業年度終了後○ヶ月以内に(普通は2〜3ヶ月)報告するよう条文化しました。
又、管理組合が請求した時はいつでも管理業者は管理事務の処理状況及び会計の収支状況を報告しなければならないことになりました。
「マンション管理適正化法」ではマンション管理業者及びその従業員は業務上知り得た顧客の秘密を正当な理由がなり限り漏らしてはならないことになっています。
「マンション管理適正化法」との整合性をもたせるために管理業者の守秘義務を条文化しました。
その他には管理員室を無償使用する際の維持費用の負担を明確にしたり、管理組合と管理業者双方の通知義務及びその内容をより詳しく条文化したりしました。
今回の改訂のポイントは
・「マンション管理適正化法」との整合性をもたせ従来の矛盾点を解消した。
・管理組合や区分所有者の保護を更に強化した。
・一方では契約(業務)範囲を明確にし、管理業者の責任範囲(免責事項)もはっきりさせた。
等です。
名称も従来の「中高層共同住宅標準管理委託契約書」から「マンション標準管理委託契約書」に変わりました。
この「マンション標準管理委託契約書」を今後の「管理業者とのトラブル解消」「管理組合運営の円滑化」「マンションの資産価値の維持」等にぜひ活用されることを期待いたします。
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