3.【寄稿】管理組合の視点から〜がんばっている管理組合は何を求めているのか〜(「住宅」2008年9月号) [寄稿・新聞記事等]

2008年10月21日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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6.さいごに

<記事本文>

1.はじめに

 約30年、けっこう充実して努めることができたサラリーマン生活だったが、いろいろな事情で少々早めに卒業することとなった。たまたまマンション管理士資格について世間で話題になっていたことと、30年以上のマンション暮らしでマンション管理に多少は関心があったこともあり、独立して2003年にマンション管理士事務所を立ち上げた。

  以来、専業のマンション管理士事務所として、顧問契約を中心に多くの管理組合の管理・運営のお手伝いを行ってきたほか、行政とタイアップする形でマンション管理セミナーや無料相談会の講師、相談員などをやり、まだまだ未熟ではあるが「マンション管理組合の応援団」としてマンション管理のレベル向上に少しは役立っているのではないかと自負している。

  多くの管理組合と接していつも感じることは、ほとんどの管理組合は常に何らかの問題を抱えて管理・運営を行っているということである。「組合員の無関心」から始まり、「財政難(修繕積立金の不足)」、「滞納問題」、「賃貸住戸の増加による居住ルールの乱れや犯罪の増加」、「コミュニケーションの形骸化」、「災害に対する不安」そして「高齢化による活力の低下」などをあげればきりがない。私は、管理組合が以上のような問題に適切に対応し、円滑な運営を進めていくための重要な4つのキーワードを提唱している。それは、「自主性」、「専門性」、「継続性」、「負担の公平性」であり、且つ同時に成り立たせることが重要である。しかしこれがなかなか難しい。例えば自主管理を行えばいやでも自主性は高まる。しかし、自分たちで相当勉強しなければ専門性は担保できない。逆に、管理会社に全ての部分を委託してしまえば専門性は担保される。しかし、肝心の自主性に関しては大いに問題が残ることになる。同様に、特定の組合員が長期間に渡り継続して理事を引き受けてくれれば継続性は確保できるが、負担の公平性から見ると全く逆の現象となる。これは、輪番制のボランティアで運営されることが一般的な管理組合ではある意味において宿命的なものかもしれない。

  ところで、マンション管理士として管理組合運営のサポートを稼業とするものから見た場合、専門家を上手に活用すると、理事の負担が大幅に軽減し、従来よりもはるかに効率的で適正なマンション管理を推進することができると思える管理組合がいくらでもある。しかし、外部の専門家を活用することについての抵抗感や管理組合の意志決定には多くの時間がかかることなどが影響して、多くの管理組合が問題解決に踏み込めず、毎年同じことを繰り返している。また、逆に「自分たちは長年にわたり自主管理を貫いて、誰の手も借りずに適正なマンション管理をやってきた。」と自信を持っている組合も少なからずある。しかし、マンション管理には「居住者自治」が広く認められているとはいえ、私から見たらその内容は適正とはいいがたく、一部の組合員が長期に渡り管理組合運営に携わり専横化していたり、管理規約や関連法規に抵触するような意志決定が行われていたりする。

  そのような状況の中で、私は、長期間自主管理を貫きながら適正なマンション管理の推進に取り組んでいる管理組合とあるきっかけを通じて知り合い、現在はその管理組合の顧問をしている。今回は、この管理組合の取り組み事例等を簡単に紹介しながら、管理組合に対してマンション管理士や行政等ができる支援等について考察してみたい。

※以降の記事は、PDFファイルをご覧下さい。

「管理組合の視点から」〜がんばっている管理組合は何を求めているか〜(PDFファイル)

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