23.【コラム】「マンション履歴システム(マンションみらいネット)」について [法律・財務などのソフト分野]

2005年09月22日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


今年の10月から、「マンション履歴システム」の登録が始まります。
公募の結果、愛称は「マンションみらいネット」と決定いたしました。

システムについては国土交通省の委託を受けて、(財)マンション管理センターが実際の運営を担当します。
私も、先輩から依頼されて、このシステムづくりのお手伝いを2月からやっていますので、今回は「マンションみらいネット」についてご紹介いたします。


よく、「マンションは管理を買え」といわれます。つまり、マンションは見た目だけではなくどのような管理がなされているかが重要であり、適正な維持管理こそがマンションの価値を高める一番大きな要素であるということだと思います。
私はこのことに全く異論はありません。
しかし、「管理を買え」といわれても「どうして判断するの?」となりませんか。

そのマンションに住んでいない人は知りたくてもわかりません。もしかしたら住んでいる人でさえ、詳しく知らないかもしれません。
そのような状態では、「あのマンションはどのように管理されているのだろうか」、「自分たちが求めているマンションの条件に合致しているだろうか」、「あのマンションを購入したら、今後どのくらいの維持管理費を負担しなければならないのか」、など多くの疑問や不安があると思います。

実はこのような問題を一挙に解決するのが「マンション履歴システム(マンションみらいネット)」です。
マンションの寿命に影響する大切な維持管理の状況をインターネットでいつでも閲覧することができれば、購入希望者の大きな判断材料となります。
又、そのマンションに居住している人も、自分のマンションの管理水準がどの程度であるかを知ることができれば、今後の維持管理に何が必要かを判断することができます。
「修繕は適切に実施されているか」、「積立金や管理費の額は、適正なのか。将来、多額の一時負担が出ないか。」、「管理規約は現在のままで特に問題ないのか」、「必要な書類や図面はどこに保管されているのか」などです。

又、このシステムとあいまって、来年度は国交省から「マンション管理標準指針」が公表される予定です。つまり、マンション管理の標準的な水準と、望ましい水準を国が公表することにより管理組合の判断基準を明確にしていこうという考え方です。

この「マンションみらいネット」に登録することにより
1.マンションの修繕履歴がきちんと保管されることになり、管理組合の役員が変わっても、適切な修繕時期や内容を把握することができる。
2.自分たちの管理状況が、適切な水準と比較してどうなのかを知ることができ、今後の管理の質を高めることができる。
3.自分たちの努力が、インターネットを通じて公開されることにより、適正な評価を受け、マンションの資産価値向上に寄与する。
4.中古マンションの購入希望者にとっては、自分が購入しようとしているマンションの管理状態や、居住ルールを事前に知ることができ、大きな判断材料になるとともに、入居後のトラブルを避けることができる。
等のメリットがあります。

又、登録については管理組合の理事長等に書いていただくことを前提にしていますが、登録項目は現在のところ350項目前後にのぼり、この作業を理事長さんたちにやっていただくのは大変です。
ですから、登録補助者として(財)マンション管理センターからマンション管理士を派遣してお手伝いするシステムになっています。

10月中旬から、無料モニターの受付が始まります。
私も、現在お世話になっている管理組合にPRしていますが、きちんとお話をすれば「絶対に申し込もう」と全ての管理組合の役員さんが言ってくださいます。

適正なマンション管理を推進し、マンションの資産価値を高めるためにもぜひこの機会に申し込まれることをお勧めいたします。

なお、(財)マンション管理センターのHPでも「マンションみらいネット」について、紹介していますのでご参照ください。

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