9.大規模修繕工事を計画していますが、住民に建築や設備の専門家がいないとできませんか? [マンション管理Q&A]

2011年05月20日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


Q.マンションの大規模修繕工事は、居住者に建築や設備の専門家がいないとできませんか?

私達のマンションも大規模修繕工事を実施する時期になってきました。準備に入ろうと思いますがどのようにして進めて行ったら良いのかよく分かりません。
住民の中には、建築や設備に関する専門家がいないのですが大丈夫でしょうか。

A.大規模修繕工事はマンション内に専門家がいなくても問題ありません。

よく、「うちのマンションには1級建築士が住んでいるのでその人にお願いして協力してもらえば大丈夫!」とおっしゃる方がいます。
全くの間違いとはいいませんが、一概に1級建築士といっても意匠、構造、設備などさまざまな分野があります。そして大規模修繕工事は、居住者が生活をしながら行う工事であり、新築工事とは勝手が違います。
マンションに住んでいる1級建築士が必ずしも大規模修繕工事に精通しているかどうかは不明です。
これは私の自論ですが、自分の職業に自身と誇りを持っている専門家であれば、お金にもならず、一歩間違えばそのマンションに住みづらくなる可能性もある自分のマンションに対し、専門家として関与することはありません。
また、その専門家はあくまでも自分のマンションの「当事者」であり、冷静に物事を判断できる「第三者」ではありません。
大規模修繕のように多額のお金を使って行う事業は、公平性や透明性を担保し、適切な情報開示をしながら進めて行く必要があります。
このようなときこそ、信頼できるパートナーを選んで、管理組合が判断できる資料や情報を提供してもらえれば、管理組合は適切な判断をしながら一大事業を遂行することができます。
必要なのは、専門性を持った住民ではなく、社会人としての一般常識を持った住民なのです。

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