2009年05月01日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士
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新シリーズ「自宅マンション大規模修繕工事の記録」、今回は「修繕仕様の決定」についてです。
※大規模修繕工事の大まかな流れにつきましては、大規模修繕工事コンサルタント業務をご参照ください。
設計事務所が正式に決定したのでいよいよ本格的な作業の開始となります。
建築士法の改正を受けて、設計監理の委託契約を締結するには契約前に管理建築士から「重要事項説明」を受けて契約する必要がありますので、理事長がその説明を受けて正式に契約を締結しました。
次に基本的な設計プランを提示してもらいますが、その前に追加で現地調査を実施することになりました。
理由は、管理会社が昨年実施した「建物診断及び報告書」に基づいて、基本的な仕様を考えていましたが、詳細な設計を行うには、上裏(ベランダの天井)の中性化試験や塗膜の付着力試験のデーターが不足しているとのことでした。
設計事務所による追加の調査を経て、「調査報告書」と「基本設計仕様書」が出来上がります。
私たちは、上記書類の説明を受けて、現在の建物の状況と修繕が必要な箇所の確認を行います。
そして、その後に各仕様についての設計価格の提示を受け、修繕積立金の残高や昨年作成した長期修繕計画とも照らし合わせながら最終仕様を決めていきました。
築12年でもっともポピュラーな大規模修繕工事ですが、屋上防水は比較的状況が良いので部分補修とし、住民から要望が出ていた「エントランスのバリアフリー化」、「ゴミステーションの改善」、「自転車置場の改善」などを予算に組み込むこととしました。
私たちのような35世帯の小規模マンションでは、一般的に第1回目の大規模修繕工事の予算は100万円/戸といわれていますが、今回は以上のような改善工事に結構お金がかかりそうなのでもう少し多目の予算を取りました。
概略仕様と予算が決まったので、定期総会において議案化して承認をもらうことにしました。
総会議案書案の作成は重松マンション管理士事務所の担当ですが、そちらは当然お手のものです。総会は全員一致で難なく承認されたました。
昨年改正された建築士法に則り、管理建築士の方から「重要事項説明」を受けました。 1級建築士の資格を証明するコピーを提示して、契約書の内容を読みあわせる形で説明していました。 理事長は、契約内容を確認しながら説明を聞いていましたが、長年使用されている様式の契約書とのことで特に問題はないようです。 | |
設計前の再調査は、私の自宅を含めて3件の住戸に協力してもらいました。 この写真は、タイルの浮きの状況をパルハンマーで調査しているところですが、この後に上裏の中性化テストや塗膜の付着力テストも行いました。 予想以上に中性化が進んでいる場合は、コンクリート下地補修の仕様も検討しなおす必要があります。 < ページ移動: 1 2 > 次の記事へ > < 前の記事へ 『 実録!マンション管理』トップに戻る サイトマップ
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