53.区分所有法第59条競売裁判の明暗 [マンション管理士 業務日誌]

2014年09月26日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


< ページ移動: 1 2 >

こんにちは。重松マンション管理士事務所所長の重松です。
ここの所、日常業務対応が忙しかったので、ホームページの更新がなかなかできませんでした。
今回は、私が実施した区分所有法第59条の規定に基づく競売請求裁判2件のうち、1件は請求通りの判決、もう1件は請求が棄却された判決となった事例をご紹介いたします。

現在私が区分所有法第25条の管理者としてお手伝いしているマンションは4件ありますが、ほぼ同じ時期に2件のマンションで区分所有法第59条による競売を許可してもらうための訴訟を提起しました。
競売請求を裁判所に申し立てる理由は、2件とも長期に渡る管理費等の滞納です。
滞納が長期になってきた場合、直ちに59条競売を申し立てることは普通は行いません。手順を経て督促を強化し、それでも改善しない場合はまずは通常の訴訟を行います。
ちなみに私の場合は、申立後の手続が比較的簡単な「通常訴訟」を行い、支払督促少額訴訟はあまり利用しません。
通常裁判を経て「判決(債務名義)」を得たうえで、これを基に「強制執行」を実施しますが、それでも回収できない場合に区分所有法第59条の競売に進む手続きを行います。
ご存知の方も多いと思いますが、本裁判を申し立てるには総会を開催し、区分所有者及び議決権のそれぞれ4分の3の賛成が必要となります(特別決議)。
また、相手方には「弁明する機会」も与えなければなりませんので緻密な手順で進める必要があります。
私はこの裁判を20回近く経験していますが、敗訴したのは今回が初めてです。しかも欠席裁判であるにもかかわらずです。
前述のように手順をつくし、「この方法をもってしか管理費等の回収は不可能である。」ということを、自分なりには主張・立証したつもりだったのですが、今回の裁判官はそうは理解しなかったみたいです。
判決文を整理すると概ね以下のようになります。

前提事実について

被告が出頭しなかったのでいわゆる欠席裁判となり、以下の1〜4については、被告がその事実を認めたものとみなされました。
  1. 被告がそのマンションの区分所有者であること
  2. 被告が多額の管理費等を滞納していること
  3. 被告の専有部分には、多額(1400万円)の抵当権がついていること
  4. 被告には弁明する機会が与えられたうえで、総会の特別決議が可決したこと

裁判所の判断

裁判所は、今回の請求が区分所有法第59条が認めるところの要件を満たしているかについて以下のような判断をしました。

被告の行為(管理費等の多額の滞納)が区分所有者の共同の利益に反する行為といえるか?

これについては、裁判申立当時の管理費等の滞納額(具体的には60万円以上)を引用し、「管理費等が遅滞なく納付されることを前提とする管理組合の運営に支障を及ぼすものとして、区分所有者の共同の利益に反する行為に当たると評価する余地も十分にあり得る。」としています。

区分所有者の共同生活上の利益の障害が著しいか?

これについては、「この程度の滞納額が管理組合運営に及ぼす支障が著しいと直ちに判断することができる程度に達しているといい難い。」と述べています。
このマンションは戸数が400戸を超えているのですが、「60万円程度の滞納では直ちに影響はないでしょ。」といっているようです。

< ページ移動: 1 2 >

53/374

次の記事へ >
< 前の記事へ

『 お知らせ&日記(ブログ)』トップに戻る
サイトマップ

マンション管理士 重松秀士の 『マンションサポート・ドットコム』(PC版)
重松マンション管理士事務所(PC版)

重松マンション管理士事務所
〒260-0022 千葉市中央区神明町13-2-104
TEL:043-242-0192/FAX:043-244-9094

Powered by
MT4i 3.0.5

携帯アクセス解析