4.刑事事件の裁判員を経験しました。 [プライベート]

2016年04月03日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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全員着席したら、裁判長から、「お互いの自己紹介から始めましょう」と発言があり、裁判長から自己紹介が始まりました。裁判長は年齢的には50代半ばくらいのバリバリの管理職、他の2名の裁判官は若手の30代後半の感じでした。
私たち8名もそれぞれ自己紹介をしましたが、男性4名、女性4名、年齢的には20代の大学生から最年長は私の65歳、なんとなくバランスがとれており、本当に抽選なのかな?と疑いましたが、間違いなく抽選で選んでおり、このようなバランスの良い構成になることは極めて珍しいとのことでした。

次は注意事項の説明です。一番最初に説明を受けたのは「メンタルケア」です。この裁判の裁判員を担当し、業務中だけでなく裁判終了後であっても、体調がおかしくなった場合は遠慮しないで指定機関に電話をしてくださいという趣旨の説明がありました。
私は、あまり気にしませんでしたが、裁判員をやって、責任の重さや公判中に見せられる証拠写真等で体調がおかしくなる人もいらっしゃるということを聞いたことがあったので、そのようなことに対して万全のサポートをしていくという裁判所の強い気持ちを感じました。
それから「守秘義務」に関する注意事項の説明です。
私もマンション管理士という職業上、守秘義務に関しては十分理解していますので、今回の裁判に関することについては一切(裁判員になったことも含めて)口外してはならないと思っていましたが、「守秘義務」の対象となるのは、評議の内容と関係者のプライバシーです。
それ以外のことについては、さほど厳しく制限されることもなく、裁判員になったことについては特に隠す必要もないとのことでした。それもそのはずで、サラリーマンであれば会社を休まなければならなくなるので、その際には「裁判員に選任された旨の証明書」も裁判所が発行してくれるということです。

メンタルケアと注意事項の説明が終わったら、いよいよ明日からの裁判の準備です。
今回の事件の概要の説明があり、私が担当する事件は「強盗致傷」という罪名で割とよく聞く犯罪です。
被告人も犯行を認めていることから、今回の裁判では量刑の重さを決めることがポイントになると教わりました。
刑法の規定では、強盗致傷の場合は5年以上の懲役(犯行の内容により5年を3年まで減刑可能)で最高刑は無期懲役というかなり厳しい内容です。
明日から、このような事件にかかわって裁く側の人間として参加するのはさすがに負担が大きいなという気がしてきました。

その後、法廷を見学し、明日以降のスケジュール等を確認して初日は解散となりました。

2日目(裁判初日)

冒頭陳述

朝、評議室に集合後、本日の日程の確認です。本日の主な予定は冒頭陳述と証拠調べですが、裁判官から冒頭陳述の意味を詳細に説明していただきました。
冒頭陳述とは、検察側と弁護側が、今回の事件についてのポイントや裁判の進め方に関する意見を説明するガイダンスのようなものと理解しました。
裁判は、10:00から始まりますので、開廷時刻直前に法廷の隣にある控室に移動します。
裁判官、裁判員、補充裁判員で計11名となりますが、法廷での着席場所は決まっています。
控室では、指定された順番に一直線に並んで待機し、その間一人の裁判官は電話で法廷内と連絡を取り合っているようでした。
法廷内の準備が完了したら、裁判長が扉を開けて法廷内に一気に入りますが、実は控室で並ぶ順番が決まっている理由が理解できました。裁判長から順番に入っていくのですが、自分の指定席に速やかに着席できるように工夫されています。毎回、この要領でやっているようです。

冒頭陳述は、まず検察側から始まりました。
壇上の裁判官や裁判員にA4版の資料が1枚配られ、今回の事件の概要や検察側が説明・主張したい内容(犯行動機、事件に関する事実等)の説明がありましたが、大変わかり安かったと思います。ペーパーを配布しての説明は明らかに私たち素人の裁判員を意識しているようでした。
検察側の冒頭陳述の後、弁護側も同様に書面を配布して冒頭陳述を行いました。
弁護側も、事件の内容や事実については争いはなかったのですが、被害者の被害状況は大したことはないという主張があり、明らかに刑を軽くしてほしいと訴えている感じがしました。
双方の冒頭陳述が終わった時点でいったん休憩となり、私たちは評議室に戻り裁判官から双方の言い分などについての補足説明を受けました。

証拠調べ

午後からは証拠調べと証人尋問です。
証拠の提出を受けて、裁判所が内容や事実関係を確認する作業となります。この作業は、時間をかけてかなり丁寧に行われました。
特に検察側から提出された証拠の数は約10点で、犯行現場の地図や写真、強奪した金品の内訳と写真、そして暴行を受けた被害者の診断書や暴行直後の顔写真等です。

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