3.新築マンションで施工不良!外壁タイルの訴訟事例とポイント<マンションに欠陥が見つかったら?> [マンション管理士 業務日誌]

2023年04月18日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


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ではどこで発覚し、確信に至ったのか? おおまかな経緯は以下の通りになります。

  1. 疑念大規模修繕工事の仕様策定段階、建物の簡易劣化診断実施時 ⇒打診調査でもっと多くの不具合を確認できる可能性があったものの、この時点では未確認のため、疑念を抱くに留まる。
  2. 確信大規模修繕工事着工直後、足場がかかった状態での打診調査時<画像:> ⇒建設時の工事がかなりずさんだった(=施工不良)との確信に至り、補修費用等の負担を求めることに。
  1. 目荒らしは、文字通りタイル貼付下地の表面をわざと粗く処理することで、しっかりと面と付着させることを目的した作業のこと。処理が甘いと付着力が低下し、浮きや剥がれといった施工不良に繋がります
  2. このような貼り方をすると、建物が揺れたときにタイルが破損してしまう可能性がとても高くなります

総タイル面積の15%以上に浮きや剥離

<画像:>問題となった外壁タイルは、何と総タイル面積の15%以上に不具合が見つかりました
これは、一般的な不具合率の数倍の値でした。

なお、「外壁タイル」のトラブルは、近年訴訟も含めて多くの事例が見受けられるものの一つです。
「外壁タイル」がどの程度含まれるかは分かりませんが、住宅リフォーム・紛争処理支援センターによれば、紛争処理の争点になった共同住宅における主な不具合事象として「ひび割れ」「はがれ」が上位にあり、その当該部位に「外壁」と記載されていました。
戸建住宅も1位は「ひび割れ」になっていましたが、外壁に関するトラブルが多いことがうかがえます。

主な不具合事象(共同住宅)
不具合事象 当該事象が多く見られる部位
ひび割れ 17.8% 外壁、内壁、床
はがれ 14.6% 外壁、内壁、床
遮音不良 13.1% 床、開口部・建具
変形 12.1% 床、内壁
汚れ 10.9% 内壁、床
異常音 9.0% 排水配管、天井

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター

外壁タイルの一般的な不具合率は何%とみるか

本記事の基になっている事例では、総タイル面積の15%超に不具合が見つかる事態でしたが、一般的な不具合率はどの程度と見るべきでしょうか。

経年劣化による浮きや剥離は、立地(環境)や自然災害も含めて様々な要因があると思いますので、全て一律に同様の判断はできないと思いますが、個人的には以下を参考指標にしています。

(参考1)浮き等の正常値は、0.2%/年を一つの目安に

タイルの浮き等の参考値については、以前の記事でも触れましたが、重松事務所がお手伝いした数々のマンションにおいて、同程度や1%未満の物件もあったため、個人的には0.2%/年を一つの目安にしています

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