2.管理組合の収益事業と税金<管理組合の財政?> [マンション管理士 業務日誌]

2023年10月20日 by 重松マンション管理士事務所所長・マンション管理士 重松秀士


< ページ移動: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 >

値上げは絶対にしたくないという思いから自分達でやることを検討する管理組合もありますが、数十年先、高齢化が進んだ際にもそれを維持できるかまで考慮しなければなりません。

また、中長期的な視点というと長期修繕計画のことのみをイメージされる方もいると思いますが、特に小規模マンションでは結構な負担割合になることもある植栽も、品種そのものによる違いはもちろん、年間の剪定時期や中長期の計画によってコストは変わります。
集会所の机や椅子、パソコン等、長期修繕計画等に含まれないものの、必要になった際にはそれなりに費用がかかるものもあります。

一方、最近はあまり見聞きすることはないものの、「予算は使い切るもの」として剰余金が発生しないように使い切ろうとする方(使い切ることが目的になっている方)、繰越金が増えてくるとすぐに使おうとする方、値下げを要求してくる方もいます。

管理組合が集めているお金は、継続的にマンションを適正に管理していくためのものです。
未来を正確に予想することはできませんが、個々のマンション事情に応じながら、中長期的な視点を忘れずに考えていただきたいと思います。

コスト削減事例 機械式駐車場の見直し(平面化工事の実施)

<画像:>中長期的視点で大きなコスト削減効果を見込めるものの一つが機械式駐車場の見直しです。
昨今、特に高経年マンションで空き駐車場が目立つケースが見受けられます。
当然それに伴い駐車場収入も減少しますが、機械式駐車場の場合、収入減だけではなく、高い維持コストを払い続けなければなりませんし、加えて30年も経てば大がかりなリニューアルも必要になります

そこで近年は、機械式駐車場を撤去する(平面化する)ケースが増えています。
私も約10年前の自宅マンションも含めて何度か経験しており、現在お手伝いしている管理組合でも、まさに今、平面化に向けて合意形成中です。

機械式駐車場を撤去するには、当然費用がかかります。小規模でも数百万程度かかります。
現在合意形成に取り組んでいるマンションでは、工事中の代替駐車場だけでなく、抽選に漏れて外部の駐車場へ移動しなければならなくなった方の駐車料も、敷地内駐車場に戻って来られるまでの間負担予定ですが、あらゆる意味で、一時的な不便も生じます。
しかし、機械式駐車場を撤去すれば、向こう30年間の収支は、撤去しない場合と比較すると、2億円以上プラスになる計算です

また、機械式駐車場によっては幅や高さ、重量の制限が厳しく、やむなく外部の駐車場を借りているという人もいます
そのような場合は、平面化により利便性や新車選びの自由度の向上に繋がりますし、昨今ミニバンやSUVだけでなく軽自動車でも車高の高い車が増えていますので、特に最寄りに駐車場がないマンションの場合は、売買時に有利に働く要素が増えることにも繋がります

このように、機械式駐車場の撤去(平面化)は、短期的にみると不便やコストが生じるものの、中長期で見れば大きなメリットに繋がるわかりやすい事例です

<地下駐車場の平面化工事実施例>

過去に重松事務所の顧問先で実施した機械式地下駐車場の平面化工事実施例です。
契約率の低下に伴い、一部を平面化しました。

<画像:>
施工前の状態
地下ピット2段(2列)のパズル式で、全部で7台収容可能でした。
<画像:>
施工後の状態
かなりすっきりして、大型車両2台の収容が可能になりました。

【注意1】 駐車場の附置義務について

<画像:>マンションによっては条例によって駐車場や駐輪場の附置義務が課せられ、台数も指定されています。ご存じだったでしょうか?

< ページ移動: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 >

2/373

次の記事へ >
< 前の記事へ

『 お知らせ&日記(ブログ)』トップに戻る
サイトマップ

マンション管理士 重松秀士の 『マンションサポート・ドットコム』(PC版)
重松マンション管理士事務所(PC版)

重松マンション管理士事務所
〒260-0022 千葉市中央区神明町13-2-104
TEL:043-242-0192/FAX:043-244-9094

Powered by
MT4i 3.0.5

携帯アクセス解析